1.身体的拘束の最小化に関する基本的な考え方
医療法人たけとう病院では、精神保健福祉法第三十七条第一項の基本理念、 「入院患者の処
遇は患者の個人としての尊厳を尊重し、その人件に配慮しつつ、適切な精神医療の確保及び社
会復帰の促進に資するものでなければならないものとする。また処遇に当たって、患者の自由の制
限が必要とされる場合においても、その旨を患者に出来る限り説明して制限を行うよう努めるととも
に、その制限は患者の症状に応じて最も制限の少ない方法により行わなければならないものとす
る。」に基づき、運用するものとする。すなわち、法に則して行動制限を行うとしても、人権を侵害す
ること、自由を奪うことには変わりない。患者の不利益を最小限にし、それを上回る利益になってこ
そ許されるものである。何のために行動制限を行うのか、その目的を見誤ることなく、理由無き行動
制限が行われることがあってはならない。
遇は患者の個人としての尊厳を尊重し、その人件に配慮しつつ、適切な精神医療の確保及び社
会復帰の促進に資するものでなければならないものとする。また処遇に当たって、患者の自由の制
限が必要とされる場合においても、その旨を患者に出来る限り説明して制限を行うよう努めるととも
に、その制限は患者の症状に応じて最も制限の少ない方法により行わなければならないものとす
る。」に基づき、運用するものとする。すなわち、法に則して行動制限を行うとしても、人権を侵害す
ること、自由を奪うことには変わりない。患者の不利益を最小限にし、それを上回る利益になってこ
そ許されるものである。何のために行動制限を行うのか、その目的を見誤ることなく、理由無き行動
制限が行われることがあってはならない。
2.身体的拘束の定義
(1)指定医が必要と認める場合でなければ行うことができない行動の制限である。
(2)身体拘束は、制限の程度が強く、また、二次的な身体的障害を生ぜしめる可能性もあるため、
代替方法が見いだされるまでの間のやむを得ない処置として行われる行動の制限であり、出来
る限り早期に他の方法に切り替えるよう努めなければならない。
(3)身体拘束は、当該患者の生命を保護すること及び重大な身体損傷を防ぐことに重点を置いた
行動の制限であり、制裁や懲罰あるいは見せしめのために行われるようなことは厳にあっては
ならない。
(4)身体的拘束を行う場合は、身体的拘束を行う目的のために特別に配慮して作られた衣類又は
綿入り帯等を使用する。手錠等の刑具類や他の目的に使用される紐、縄その他の物は使用して
はならない。
3.身体拘束となる対象患者
身体拘束の対象となる患者は、主として次のような場合に該当すると認められる患者であり、
身体的拘束以外によい代替方法がない場合に行う。
(1)自殺企図又は自傷行為が著しく切迫している場合
(2)多動又は不穏が顕著である場合
(3)(1)又は(2)の他精神障害のために、そのまま放置すれば患者の生命にまで危険が及ぶおそ
れがある場合。
なお、当院では身体を保護するための抑制(車椅子テーブル・Y 字ベルト・ミトン・介護衣等)
については身体拘束としない。対象としない抑制についても、医師から本人・家族等へ説明・
同意を得て行うものとする。
4.身体拘束の遵守事項
(1)身体拘束に当たっては、当該患者に対して身体的拘束を行う理由を知らせ、身体拘束を行った
旨及びその理由並びに身体拘束を開始した日時及び解除した日時を診療録に記載する。
(2)身体拘束を行っている間においては、原則として常時の臨床観察を行い、適切な医療及び保護
を確保しなければならない。
(3)身体拘束が漫然と行われることがないように、医師は頻回に診察を行う。
5.身体的拘束を行う場合の対応
精神保健福祉法の身体拘束の遵守事項に従って実施する。
※身体を保護するための抑制(車椅子テーブル・Y字ベルト・ミトン・介護衣等)について、緊急
やむを得ず身体抑制を行わなければならない場合は、以下の手順に従って実施する。
(1)緊急やむを得ず身体抑制が必要と認められた場合、医師は身体抑制開始の指示を行う。
(2)医師は同意書を作成し、事前に患者・家族等に説明して身体抑制開始の同意を得る。ただし、
直ちに抑制を要する切迫した状況で事前に同意を得ることが困難な場合は、開始後できるだけ
早めに家族等に説明して同意を得る。
説明内容:
【1】身体抑制を必要とする理由
【2】 身体抑制の具体的な方法
【3】 身体抑制を行う時間・期間
【4】 身体抑制による合併症
(3)身体的拘束開始時に、使用する抑制具、時間、その際の患者の心身の状態ならびに緊急やむを
得ない理由を記録する。
(4)身体的拘束継続中は、早期解除に向けた多職種によるカンファレンスを実施する。カンファレ
ンスでは、やむを得ず拘束を行う三要件を踏まえ継続または解除の必要性を評価し、医師が指示
を行う。
(5)併せて、身体的拘束継続中は、患者の状態、拘束が必要な理由、拘束部位などを患者・家族等に
分かりやすく説明する。
(6)身体的拘束を継続する必要がなくなった場合は、医師の指示のもと速やかに拘束を解除・記録し、
その旨を家族へ連絡する。
6.身体的拘束最小化チームの設置要綱
院内に身体的拘束最小化に係る身体的拘束最小化チームを設置する。
(1)チームの構成
身体的拘束最小化委員会のメンバーである医師(専任)と看護師(専任)を基本として、薬剤師、
精神保健福祉士、事務員などの多職種により構成する。
(2)チームの業務
【1】身体的拘束の実施状況を把握し、管理者を含む職員に定期的に周知徹底する。
【2】身体拘束を最小化するための指針を作成し、職員に周知し活用する。
【3】身体的拘束実施事例の最小化に向けた医療・ケアを検討する。鎮静を目的とした薬剤の適正使
用や身体的拘束以外の患者の行動を制限する行為の最小化についても検討する。
【4】定期的に本指針および身体的拘束マニュアルの見直しを行う。
【5】身体的拘束最小化のための研修を年1回以上開催する。
7.本指針の閲覧
本指針は電子カルテに掲示し全職員が閲覧できるようにするほか、患者・家族等がいつでも閲覧
できるよう当院ホームページに掲載する。
(附則) この指針は令和7年5月1日より施行する。
身体的拘束最小化チーム・行動制限最小会委員会